解体工事とは?木造・鉄骨・RC造の工法と知っておくべき法律を解説

- 延べ面積80㎡以上の建築物の解体は、着工7日前までに建設リサイクル法の届出が必要。
- 請負金額500万円以上の解体には建設業許可、500万円未満のみなら解体工事業登録が必要。
- 解体工事業登録の有効期間は5年で、無登録営業は3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象。
- 解体工事業制度の施行日は平成28年(2016年)6月1日。
- 行政手続きの窓口は原則として都道府県が担当する。
解体工事の結論

解体工事で最初に確認すべきは「届出の有無」と「業者の許可・登録」の2点だ。
延べ面積80㎡以上の建物を壊すなら、工事着手の7日前までに建設リサイクル法の届出がいる。これは法律で定められた義務で、対象になる建設工事では発注者に分別解体と再資源化の義務が課される。
そして業者選び。請負金額が500万円以上なら建設業許可、500万円未満のみを請け負うなら解体工事業登録が要る。正直、ここを確認せずに価格だけで決めると後で揉めやすい。
目次
この記事は「解体とは何か」から始まり、建物構造ごとの解体方法、関わる法律、工事の流れ、よくある質問までを一本でたどれる構成にした。

先に全体像を知りたい人向けに、章ごとの中身を一覧にしておく。
| 章 | 主な内容 |
|---|---|
| 解体とは? | 解体という言葉の意味と範囲 |
| 解体工事とは? | 建物構造に合わせた解体方法の考え方 |
| 木造の解体 | 木造建物の壊し方の特徴 |
| 鉄骨・RC・SRCの解体 | 重量構造の解体方法 |
| 特殊な解体工法 | 狭小地や用途に応じた工法 |
| 法律との関係 | 建設業許可・登録・建設リサイクル法 |
| 工事の流れ | 届出から建物滅失登記まで |
| よくある質問 | 費用・始め方などのFAQ |
解体とは?
解体とは、建物や構造物を取り壊し、その敷地を次の用途に使える状態に戻すことを指す。
ただ壊すだけではない。基礎の撤去、廃材の分別、整地までを含めて初めて「解体が終わった」と言える。私が現場を取材して感じたのは、見えない地中の基礎や廃材処理にこそ手間と費用がかかるという点だ。
建設リサイクル法の対象工事では、発注者に分別解体と再資源化の義務が課される。つまり「壊して捨てる」のではなく「分けてリサイクルする」ことが法律上の前提になっている。
解体工事とは? 建物の構造に合わせた解体方法

解体工事とは、建物の構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)に応じた工法で建物を撤去する工事のことだ。
なぜ構造ごとに方法を変えるのか。理由はシンプルで、材料の強度も廃材の種類も違うからだ。木材を切るのと、鉄筋コンクリートを砕くのでは、使う重機も解体の進め方もまったく変わる。
だから見積もりを取るときは、まず自分の建物が何造かを伝えるのが第一歩になる。これが曖昧だと、費用も工期も正確には出てこない。
木造建物の解体
木造建物の解体は、重機と手作業を組み合わせて進めるのが基本で、3種類の中では比較的扱いやすい構造だ。

まず内装や建具を手で外し、分別する。次に重機で柱や梁を倒していく。木くずは建設リサイクル法に基づき分別され、再資源化に回される。
正直に言うと、木造は廃材の分別さえ丁寧にやれば、騒音や粉じんのトラブルは抑えやすい。逆に手抜きで一気に潰すと、近隣からの苦情につながりやすいと取材先の業者も話していた。
鉄骨造やRC造・SRC造の解体
鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の解体は、専用の大型重機でコンクリートを砕き、鉄骨や鉄筋を切断して進める。
RC造やSRC造は構造そのものが頑丈なため、木造より重機も人手もかかる。アタッチメントを付け替えた重機でコンクリートを破砕し、内部の鉄筋を切り出していく作業になる。
こうした重量構造は廃材も多く、コンクリートガラや鉄くずを分けて再資源化する手間が増える。費用が木造より上がりやすいのは、この処理量の差が大きい。
その他の特殊な解体工法

狭小地や周囲との距離が近い現場では、重機を大きく動かせないため、手作業中心の解体や小型重機を使う工法が選ばれる。
隣家が密接した住宅地、大きな機械が入れない奥まった土地。こうした現場では、養生を厚くし、粉じんと騒音を抑えながら少しずつ壊していく。
いずれの工法でも、建設リサイクル法に基づく分別解体は共通の前提になる。特殊な現場だからといって、分別や再資源化の義務が免除されるわけではない。
解体工事前に押さえておきたい法律との関係
解体工事に関わる主な法律は「建設業法」と「建設リサイクル法」の2つで、許可・登録・届出のルールはここから来ている。

この2つを押さえておけば、業者選びでも手続きでも大きく外さない。逆に知らないまま進めると、無資格業者に依頼してしまったり、届出漏れで工事が止まったりする。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建設業許可 | 請負金額500万円以上の解体工事に必要 |
| 解体工事業登録 | 500万円未満のみ請け負う場合に必要・有効期間5年 |
| 建設リサイクル法の届出 | 延べ面積80㎡以上で着工7日前までに必要 |
| 手続き窓口 | 原則として都道府県が担当 |
①解体工事に必要な許可と資格
解体工事を請け負うには、請負金額に応じて建設業許可か解体工事業登録のどちらかが必要になる。
請負金額500万円以上の工事には建設業許可。500万円未満のみを請け負うなら、建設リサイクル法に基づく解体工事業登録が要る。登録は都道府県知事に対して行い、有効期間は5年で更新が必要だ。
登録には技術管理者の選任も求められる。なお、解体工事業制度の施行日は平成28年(2016年)6月1日だ。
全国解体工事業団体連合会の案内では、解体工事施工技士の資格が、解体工事業登録の技術管理者および建設業許可の主任技術者の資格要件に該当するとされている。業者の技術者がこの資格を持っているかは、信頼性を測る一つの目安になる。
② 建設リサイクル法: 廃棄物のリサイクルと分別

建設リサイクル法は、解体で出る廃材を分別し、再資源化することを義務づける法律だ。
延べ面積80㎡以上の建築物の解体工事は、この法律の事前届出の対象になる。届出は工事着手の7日前までに必要で、住民向け・事業者向けの公的資料では、この届出は発注者が行うものとして整理されている。
つまり「業者がやってくれるだろう」と任せきりにせず、発注者である自分にも義務があると理解しておくべきだ。対象工事では分別解体と再資源化が発注者の義務として課される。
実務では業者が代行・代理で届出を進めるケースが多いが、最終的な責任は発注者側にある点は覚えておきたい。
解体工事の流れ
解体工事は「届出→準備→外構・内装の撤去→建物本体の解体→整地→建物滅失登記」という順番で進む。

最初の関門が届出だ。80㎡以上なら着工7日前までに建設リサイクル法の届出を済ませる必要がある。ここを逃すと工事日がずれ込む。
その後、足場と養生を組み、外構・屋根・内装を分別しながら撤去。重機で基礎を含む建物本体を壊し、地中の障害物を取り除いて整地する。
工事が終わったら建物滅失登記。これは建物が無くなったことを登記する手続きで、解体後に必要になる行政手続きだ。手続きの窓口は原則として都道府県が担当する。
| 順序 | 工程 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 各種届出 | 80㎡以上は着工7日前までに届出 |
| 2 | 事前準備 | 足場・養生の設置、ライフラインの停止 |
| 3 | 外構の解体 | 塀やブロックなどの撤去 |
| 4 | 屋根・内装の解体 | 分別しながら手作業中心で撤去 |
| 5 | 建物本体の解体 | 基礎を含め重機で解体 |
| 6 | 整地・清掃 | 地中障害物の撤去と整地 |
| 7 | 建物滅失登記 | 解体後に登記手続きを行う |
よくある質問
取材や相見積もりの過程で、読者からよく聞かれる質問を3つにしぼって答える。
よくある質問
最後に私から一言。解体は「安さ」で選ぶと痛い目に遭いやすい分野だ。登録番号の確認と相見積もり、この2つだけは省かずにやってほしい。
